オステムインプラント社 社歴

オステムインプラントは、1997年に韓国で設立されたインプラントメーカーです。当初は韓国国内で事業を展開していましたが、2005年から2007年の間に日本法人を設立し 、現在では世界100カ国以上で事業を展開するグローバル企業へと成長しました。  

オステムインプラントは、ソウルにグローバルハブ、釜山と米国ペンシルベニア州に製造工場を有し、32ヶ国36拠点で事業を展開しています。2006年に設立された株式会社OSSTEM JAPANは、主要拠点の一つとして注目されています。  

オステムインプラントは、アジア太平洋地域におけるトップクラスの歯科医療機器メーカーとして 、韓国で45%、中国で36%の市場シェアを獲得しています。また、インプラントの生産量においては世界第5位にランクインしています。  

設立当初から研究開発に重点を置き 、革新的な製品開発と世界クラスの製造施設への投資を積極的に行ってきました。その結果、高品質なインプラントを世界中の歯科医院に提供することに成功し、高い評価を得ています。顧客満足度を重視し、世界中の歯科医院との長期的な関係構築にも力を入れています。  

オステムインプラントは、医療関係者と一般の両方に向けた情報を提供するウェブサイトを運営しています。歯科業界をリードする企業を目指し、研究開発への投資を継続することで、革新的な製品開発に取り組んでいます。

オステム社 製品開発の歴史

オステムインプラントは、後発のインプラントメーカーとして、既存の3大メーカー(ストローマン、ノーベルバイオケア、アストラテック)の良いところを取り入れながら、独自のインプラントシステムを開発してきました 。3大メーカーの特徴を模倣した開発をしてきたものの、単なるコピーではなく、それぞれのもつ特性をしっかり理解し開発を行っています。オステムインプラントは、研究開発に力を入れており、毎年売上の11%を研究開発に投資し、15の歯科研究所を運営しています。世界最高水準の歯科研究施設を確保し、最高の歯科研究人材が世界の歯科業界をリードする技術と製品の開発に取り組んでいます。

SLA表面性状の採用

ITIインプラントと同様の表面性状であるSLAを採用することで、骨との結合を促進し、インプラントの安定性を高めています。

アストラインプラントに類似した形態

アストラインプラントに類似した形態のインプラント体を設計することで、1回法を導入しやすく、ネジの緩みにくいインプラント体の製品化に成功しました。

多様なサイズのインプラント体

直径6mm、7mmといったアストラインプラントよりも大きめのインプラント体もラインナップに加えることで、ブローネマルクインプラントのように初期固定を得やすい設計も実現しています。

世界初の乾燥式親水性表面「NH」技術

SAとHA表面処理技術の長所を組み合わせた、世界初の乾燥式親水性表面「NH」技術を開発・搭載しました。インプラントを溶液に保管しなくても優れた血液の濡れ性を維持しながら、骨を早く形成する表面技術です。

オステムインプラントが歯科医療業界に与えた影響

オステムインプラントは、アジア人の骨格に合うように設計されているため、日本人を含むアジア人にとって使いやすいインプラントとして人気があります。世界70カ国以上で使用されており 、アジアのインプラント市場では1位のシェアを誇っています。また、世界3大インプラントメーカーの特徴を取り入れているため、日常生活による歯槽骨の吸収を防ぎ、歯槽骨とインプラント体を長く保てる性能を持っている点が特徴です。

オステムインプラントの論文や研究資料

インプラントの安定性に関する論文では 、サンドブラスト処理および酸エッチングされたアルミナ(SA)、生体吸収性アパタイトナノコーティング(NH)、大粒径サンドブラストおよび酸エッチング(SLA)の表面インプラントを比較し、NH群の結果が高い傾向が見られたと報告しています。

オステムインプラントの将来展望

オステムインプラントは、2026年には世界一のインプラント企業に、2036年には世界一の歯科企業になることを目標に掲げています。
この目標を達成するために、世界中の歯科医師のより良い診療をサポートし、世界をリードする技術開発に取り組んでいます。近年では、デジタルシミュレーションにより患者固有のテンプレートを製作し、装着して手術を行うサージカルガイドシステム「OneGuide」を開発するなど、新たな技術開発にも積極的に取り組んでいます。また、海外市場拡大にも力を入れており、2023年には日本の歯科医師130人余りを本社に招待し、製品展示やセミナーを実施するなど、研修プログラムを提供しています。
オステムインプラントは、まだ新しいインプラントメーカーですが、3大インプラントメーカーと互換性があり、継続的な改善により、主要なインプラントメーカーと同等の普及の可能性を秘めています。
さらに、オステムインプラントのSLA処理インプラントに光機能化処理を施すことで、治癒期間を大幅に短縮できる可能性も示唆されています。

オステム インプラントへの期待

オステムインプラントは、1997年の設立以来、アジア太平洋地域を中心に、世界中の歯科医療に貢献してきた企業です。3大メーカーの良いところを取り入れながら、アジア人の骨格に合わせた独自のインプラントシステムを開発し、世界で高い評価を得ています。研究開発への積極的な投資や海外市場への進出、革新的な技術開発によって成功を収めてきました。今後も、世界をリードする歯科医療機器メーカーとして、さらなる成長が期待されます。